ゆうパックで荷物を送る際に、ラベルの品名欄に内容品を正しく書かないと、引き受けてもらえなかったり、航空便で輸送されずに遅く届いてしまうことがあります。
現在は実にいろんな商品があるため、どう記載してよいかわからないものです。
引き受け可否、航空輸送の可否については以前も記事にしましたが、今回は更にまとめてわかりやすく表にしてみました。
より詳しいことは以前の記事もご参考にして下さい。
ゆうパック、郵便物の引受と航空輸送可否一覧表
ゆうパック、郵便物の引受、航空輸送可否一覧表
郵便等 | 郵便等 | ゆうパック | ゆうパック | |
---|---|---|---|---|
条件 | 引受可否 | 空輸可否 | 引受可否 | 空輸可否 |
アルコール度数24%以下 | ○ | ○ | ○ | ○ |
アルコール度数60%以上 | × | × | × | × |
度数24%超〜60%未満 | ○ | × | ○ | × |
飲料度数70%超 注1 | × | × | × | × |
飲料24%超〜70%以下 | ー | ー | ○ | △注2 |
引火点30℃以下 | × | × | × | × |
引火点30℃超〜60℃以下 | ○ | × | ○ | × |
引火点60℃超 | ○ | ○ | ○ | ○ |
可燃性ガス | × | × | × | × |
高圧ガス 注3 | △ | × | △ | × |
注2)1容器当たり5ℓ以下なら航空輸送可、品名欄に記載必要
注3)多くの製品で引受不可
この表のまとめとして、
○引き受け可否の判断は、
ゆうパック、郵便物共にアルコール度数60%以上は引受不可、
ゆうパックでアルコール飲料の場合は、度数70%超は引受不可、
ゆうパック、郵便物共に引火点が30℃以下は引受不可。
○航空輸送の可否の判断は、
ゆうパック、郵便物共にアルコール度数24%超〜は航空輸送不可
引火点が60℃以下は航空輸送不可
…となります。
ゆうパック品名欄への記載方法を表にしてみた
ゆうパック品名欄への記載方法一覧
(注)2022.3月時点での記載例です。更に詳しくは、郵便局でお尋ね下さい。
アルコール飲料 | 引受可の記載例 | 航空輸送可の記載例 |
---|---|---|
ビール | ビール | ビール |
ワイン | ワイン | ワイン |
日本酒 | 日本酒 | 日本酒 |
焼酎 | 焼酎 | 焼酎(アルコール度数25%、350ml×6本) |
ウィスキー | ウィスキー(アルコール度数40%) | ウィスキー(アルコール度数40%、500ml×3本) |
スピリタス(ウォッカ) | ー | ー |
ビール、ワイン、日本酒は酒税法上アルコール度数24%以下であることが明らかですので、品目のみの記載でよいです。
焼酎は度数25%前後のものがあるため、航空搭載地域宛へ送る際には品名欄に詳しく書く必要があります。
度数24%超であっても、
1容器当たり5ℓ以下なら航空輸送可です。この場合には品名欄に度数の記載と容器、本数を記載して下さい。
例えば…
焼酎(アルコール度数25℃、350ml×6本)
などのように記載すれば航空輸送可能となります。
ウォッカにはスピリタスのような70%超のお酒もあり、その場合ゆうパックで送れません。
ケア製品 | 引受可の記載例 | 空輸可の記載例 | 注意事項 |
---|---|---|---|
香水 | 香水(アルコールフリー) | 香水(アルコールフリー) | 香水の多くは度数60%以上 |
化粧品 | アイシャドー | アイシャドー | 品名を具体的に |
口紅 | 口紅 | 口紅 | |
アイシャドー | アイシャドー | アイシャドー | |
マスカラ | マスカラ | マスカラ | |
化粧水 | 化粧水(可燃性ガスなし、アルコールフリー) | 化粧水(スプレー缶不使用、アルコールフリー) | |
除光液 | 除光液(アセトンなし、アルコール度数60%未満) | 除光液(アセトンなし、引火点60℃超、アルコール度数24%以下) | 引火点30℃以下は引受不可 |
マニキュア | マニキュア(引火性なし) | マニキュア(引火性なし) | 同上 |
乳液 | 乳液(スプレー缶不使用) | 乳液(スプレー缶不使用、アルコール度数24%以下) | |
ファンデーション | ファンデーション(スプレー缶不使用) | ファンデーション(スプレー缶不使用) | |
美容液 | 美容液(スプレー缶不使用) | 美容液(スプレー缶不使用、アルコールフリー) | |
クレンジングオイル(クリーム) | クレンジングオイル(引火性なし、スプレー缶不使用) | クレンジングオイル(引火性なし、スプレー缶不使用、アルコールフリー) | |
ハンドクリーム | ハンドクリーム | ハンドクリーム(アルコール度数24%以下) | |
日焼け止めクリーム(ローション) | 日焼け止めクリーム | 日焼け止めクリーム(高圧ガスなし、アルコール度数24%以下) | クリームもスプレー缶の有無記載 |
ボディローション | ボディローション | ボディローション(アルコール度数24%以下) | |
石鹸 | 石鹸 | 石鹸 | |
ボディソープ、ボディシャンプー | ボディソープ | ボディソープ | |
シャンプー | シャンプー(スプレー缶不使用) | シャンプー(スプレー缶不使用) | |
ヘアムース、整髪料、ヘアオイル | ヘアムース(スプレー缶不使用) | ヘアムース(スプレー缶不使用、アルコール度数24%以下) | |
ヘアトニック、育毛剤 | 育毛剤(スプレー缶不使用) | 育毛剤(スプレー缶不使用、アルコール度数24%以下) | |
ヘアカラー、ヘアマニキュア | ヘアカラー | ヘアカラー(スプレー缶不使用、SDS確認済) | 過酸化水素水含有のため基本は空輸不可 |
アロマオイル(精油) | アロマオイル(引火点30℃超) | アロマオイル(引火点60℃超) | 精油の種類により引火点が異なる |
・香水の多くは度数60%以上なので基本引受不可です。
・除光液やマニキュアには引火性液体の含有の製品が多く、引火点30℃以下の場合は引受不可です。
・ヘアカラー、ヘアマニキュアには過酸化水素水が含まれ、基本的には航空輸送不可です。
SDSで確認された場合のみ航空輸送可です。
医薬、洗剤系 | 引受可の記載例 | 航空輸送可の記載例 | 注意事項 |
エタノール | エタノール(アルコール濃度60%未満) | エタノール(アルコール濃度24%以下) | エタノールは一般 に60%以上 |
消毒剤、消毒薬 | アルコール系消毒剤(アルコール濃度60%未満) | アルコール系消毒剤(アルコール濃度24%以下) | 次亜塩素酸塩、亜塩素酸ナトリウム系に注意! |
うがい薬 | うがい薬(アルコールフリー) | うがい薬(アルコールフリー) | 多くの製品が24超 〜60%未満 |
ウエットティッシュ(除菌シート) | ウェットティッシュ | ウェットティッシュ(ノンアルコール) | 24%以下であるこ とを確認 |
殺虫剤 | 殺虫剤(スプレー缶不使用、SDS確認済) | 殺虫剤(スプレー缶不使用、SDS確認済) | 毒性なしをSDSで |
洗剤 | 洗剤(アルコールなし、酸化性物質なし) | 洗剤(アルコールなし、酸化性物質なし) | 洗剤は品目により 異なる |
漂白剤 | 漂白剤 | ー | 酸化性物質、含有恐れ、空輸不可 |
カビ取り剤 | カビ取り剤 | ー | 次亜塩素酸塩、含有恐れ、空輸不可 |
・エタノールは一般に度数60%以上です。消毒用エタノールは度数およそ76%〜、エタノール95%〜、無水エタノール99.5%〜
・消毒剤、消毒液は成分がアルコール主体のものか、成分が次亜塩素酸か亜塩素酸いずれかの製品かにより扱いが変わります。そして、いずれも航空輸送は難しいと考えたほうがよいでしょう。
成分がアルコール主体のものはアルコール系の消毒剤であることを追記した上で「60%未満」と追記すれば引き受けはされます。
成分が次亜塩素酸のものは追記で「次亜塩素酸」と追記すれば引き受けはされます。
これに対して…
成分が亜塩素酸のものは、原則引き受け自体が不可となりますが、含有量が25%未満の場合は引き受けされるケースもあるようです。但し、亜塩素酸がどういう状態で含有されているかにより引受されないこともあるとのことです。
・うがい薬は製品の多くが24%超〜60℃未満のため基本は航空輸送不可です。
・殺虫剤はSDS(安全データシート)で毒性を確認し、その旨を品名欄に追記すれば引受、航空輸送可能です。尚、スプレー缶タイプやバルサンは航空輸送不可です。
ガス、石油系 | 引受可の記載例 | 航空輸送可の記載例 | 注意事項 |
---|---|---|---|
カセットボンベ、ガスボンベ | ー | ー | 可燃性ガス含有の ため引受不可 |
ガスコンロ、カセットコンロ | カセットコンロ(未使用、ボンベなし) | カセットコンロ(未使用、ボンベなし) | |
ガスストーブ | ガスストーブ(未使用) | ガスストーブ(未使用) | |
ガスストーブ使用済 | ー | ー | 可燃性ガス残留のため 引受不可 |
石油ストーブ | 石油ストーブ(未使用) | ー | 未使用でも空輸不可 |
石油ストーブ使用済 | ー | ー | 灯油残留のため引受不可 |
灯油ポリタンク | 灯油ポリタンク(未使用) | 灯油ポリタンク(未使用) | 使用済みは引受不可 |
ガソリン携行缶 | ガソリン携行缶(未使用) | ガソリン携行缶(未使用) | 使用済みは引受不可 |
ガスライター | ー | ー | 可燃性ガスの含有 |
オイルライター | ー | ー | 可燃性液体の含有 |
マッチ | ー | ー | |
塗料、ペイント | 塗料(引火点30℃超、密閉式) | 塗料(引火点60℃超、密閉式) | 油性ペンキは注意! |
・ガスストーブ(ファンヒーター)、石油ストーブ(ファンヒーター)共、未使用に限り引き受け可能です。使用済みは引き受けされません。
そして、ガスストーブは未使用であれば航空輸送OKですが、石油ストーブについてはたとえ未使用であっても航空輸送はNGです。
未使用でも出荷前の試運転で灯油を使用しているため航空輸送不可なのです。
・塗料、ペイントは水性のものは引火しにくいですが、油性は引火点が低く引火しやすいため、しっかりと確認し、品名に追記をしなければ引受自体が難しいといえます。
高圧ガス系 | 引受可の記載例 | 航空輸送可の記載例 | 注意事項 |
スプレー缶 | スプレー缶(可燃性ガスなし) | ー | 高圧、可燃性ガス含有のため引受不可 LPG、DME等可燃性ガス不使用のスプレー缶なら引受は可能 |
消火器 | 消火器 | ー | 高圧ガス使用のため空輸不可 |
エアガン | エアガン | エアガン(高圧ガス、リチウム電池なし) | |
救命胴衣 | 救命胴衣 | 救命胴衣(ボンベなし、ガス類なし) | ボンベ、ガス、ダンク同梱なしの旨記載 |
可燃性ガスを使用しているスプレー缶は、ゆうパックとして送ることができません。
ガスボンベ、カセットボンべも送ることができません。
電気、機器系 | 引受可の記載例 | 航空輸送可の記載例 | 注意事項 |
---|---|---|---|
アルカリ電池 マンガン電池 | アルカリ電池 マンガン電池 | アルカリ電池 マンガン電池 | |
リチウムイオン電池 リチウム金属電池 | リチウムイオン電池 リチウム金属電池 | ー | リチウム電池単体のみは 空輸不可(コイン型含む) |
蛍光灯 | 蛍光灯 | 蛍光灯 | |
LEDライト | LEDライト | LEDライト(リチウム電池なし) | リチウム電池ありの場合は リチウム電池マークを貼付 することで空輸可 |
携帯電話/スマートフォン | スマートフォン | スマートフォン(リチウム電池なし) | 上に同じ |
腕時計/スマートウォッチ | スマートウォッチ | スマートウォッチ(リチウム電池なし) | 上に同じ |
スピーカー/スマートスピーカー | スマートスピーカー | スマートスピーカー(磁性物質なし、リチウム電池なし) | 上に同じ |
テレビ/カメラ | カメラ | カメラ(リチウム電池なし) | 上に同じ |
ノートパソコン | ノートパソコン | ノートパソコン(リチウム電池なし) | 上に同じ |
プリンター | プリンター | プリンター(リチウム電池なし、インクなし、トナーなし) | 上に同じ、尚インク、トナーの有無を表記 |
プリンターインク | プリンターインク | プリンターインク(SDS確認済) | SDS等で確認した上で記載すること |
プリンタートナー | プリンタートナー | プリンタートナー(SDS確認済) | 上に同じ |
パソコンモニター | パソコンモニター | パソコンモニター | |
デスクトップパソコン | デスクトップパソコン | デスクトップパソコン | |
電子タバコ/加熱式タバコ | 電子タバコ(引火点30℃超) | × | 航空会社の内規により空輸不可 |
電子タバコ部品 | カートリッジ(引火性液体なし) | 具体的品名を記載の上(リチウム電池なし、引火性液体なし) |
多くの電気機器にはリチウム電池で稼働するものが多いため、リチウム電池が入っていない場合には品名欄に「リチウム電池なし」と追記することで航空輸送が可能になります。
または、リチウム電池マークというものを正しく記載して箱に貼付することで、航空輸送が可能となることがあります。
まとめ
結構身近な商品が引受不可となっていることに、驚いた方も多いのではないでしょうか。
特にスプレー缶は私達に身近すぎるためか危険性をあまり感じませんが、可燃性のものが多く存在します。
航空機に搭載するということは気圧の変化がありますので、日常生活では問題ない商品でも注意する必要があります。
以前はシャンプーにはスプレー缶タイプの商品は見かけませんでしたが、今では様々な商品が出ています。今後も新しいタイプの商品がたくさん出てくるでしょう。
そのためしっかりと調べた上、品名欄に「スプレー缶不使用」、もしくは「高圧ガスなし、可燃性ガスなし」などと追記した方がベターです。
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