郵便局で荷物を送るとき気を付けたいのが危険物です。
引き受けてもらえないものや※航空便で輸送できないものもあります。
現在はほんとうにいろんな商品があるため、「えっ!こんなに身近なものもダメなの?」というものもあります。
正直、どれが良くて悪いのか判断できないことが多いです。
そこで今回の記事では、荷物発送の際に気を付けることを解説します。
日常生活でよく使うものの中から、大きく分けて4つの危険物に分類し検証していきます。
※ゆうパックをどこからどの地域に送るかにより、航空輸送かトラック輸送かに分かれます。自身の荷物がどのように送られるのかを航空搭載地域早見表でご確認ください。
トラック輸送の場合には、本記事「航空輸送について」の部分は気にされる必要はありせん。
航空搭載地域早見表
日常生活でよく使う4大危険物について
1.アルコール製品についての発送条件
アルコール製品に限っては
郵便、ゆうメール、ゆうパケット、レターパックで差し出すものと(以下郵便等と呼びます。)
ゆうパック(荷物)として差し出すものでは、条件が違いますので分けて説明します。
郵便等(ゆうパック以外)
アルコール度数60%以上のものは引受不可。
郵便等で出せません。
アルコール度数24%超のものは航空輸送が不可。
郵便等で出せますが、お届けに遅れが生じることがあります。
ゆうパック
ゆうパックでは飲料以外の場合は、郵便等と同じく度数60%以上のものは引受不可です。
飲料についてはアルコール度数70%超えのものが引受不可となります。
また、アルコール度数24%超のものは航空輸送が不可です。ゆうパックで送ることができるものの、お届けが遅れる場合があるということです。
但し、24%超〜70%以下のアルコール飲料については、1容器当たり5リットル以下である旨を品名欄に記載すれば航空輸送されます。
2.引火性製品についての発送条件
引火点30℃以下のものは引受不可です。
郵便等、ゆうパックで出せません。
引火点60℃以下のものは航空輸送が不可です。
郵便等、ゆうパックで出せますが、お届けが遅れることがあります。
引火点が低いほど引火しやすく危険ということになります。
3.可燃性製品について
可燃性ガスは引受不可です。
郵便等、ゆうパックで出せません。
4.高圧ガス製品について
高圧ガス製品については、引受可能な場合はありますが、航空輸送はできません。
郵便、ゆうパック引受、航空輸送可否一覧表
郵便、ゆうパック引受、航空輸送可否一覧表
郵便等 | 郵便等 | ゆうパック | ゆうパック | |
---|---|---|---|---|
条件 | 引受可否 | 空輸可否 | 引受可否 | 空輸可否 |
アルコール度数24%以下 | ○ | ○ | ○ | ○ |
アルコール度数60%以上 | × | × | × | × |
度数24%超〜60%未満 | ○ | × | ○ | × |
飲料度数70%超 注1 | ー | ー | × | × |
飲料24%超〜70%以下 | ー | ー | ○ | △注2 |
引火点30℃以下 | × | × | × | × |
引火点30℃超〜60℃以下 | ○ | × | ○ | × |
引火点60℃超 | ○ | ○ | ○ | ○ |
可燃性ガス | × | × | × | × |
高圧ガス 注3 | △ | × | △ | × |
注2)1容器当たり5ℓ以下なら航空輸送可、品名欄に記載必要
注3)多くの製品で引受不可
アルコール製品について検証する
飲料アルコールの引受について
ビール、発泡酒、ワイン、日本酒、焼酎については度数60%もしくは70%以上の製品はありませんので、郵便等でもゆうパックでも送ることができます。
泡盛、ウィスキー、ブランデー、テキーラ、ウォッカなどについては、度数が高いものがあります。
そのため、郵便等の場合は度数60%以上でないか、ゆうパックの場合には度数70%超えていないかを確認して送りましょう。
航空輸送可否の判断について
ビール、発泡酒、ワイン、日本酒は酒税法でアルコール度数24%以下であることが明らかなため、その品目のみを記載すれば航空輸送されます。
焼酎は度数25%前後の製品があるため、アルコール度数をしっかりと記載する必要があります。
尚、24%超〜70%以下のアルコール飲料については、1容器当たり5ℓ以下である旨をしっかりと確認、記載すれば、ゆうパックの場合には航空輸送OKとなります。
航空輸送可能となる品名欄記載例)
○ 焼酎(アルコール度数24%以下)
○ テキーラ(アルコール度数45%、350ml×2本)
飲料以外アルコールの引受について
”飲料ではないアルコール製品”は、アルコール度数60%未満であれば引受可です。
そして、度数24%以下であれば航空輸送もされます。
言い換えると度数24%超〜60%未満の製品は送ることはできますが、航空輸送はされません。
アルコールを含んだ製品には、化粧品や医療品などかなり多くあります。
除光液、乳液、ヘアスプレー、うがい薬などにも含まれているものがあります。
しっかりと調べて品名欄に書かないと、引き受けされない場合があります。
引受、航空輸送可能となる品名欄記載例)
○香水(ノンアルコール)
○ボディローション(アルコール度数24%以下)
引火性製品について検証する
引火性製品の引受について
引火性の製品には除光液、乳液、クレンジングオイル、アロマオイルなど様々あります。
郵便等、ゆうパックとも引き受け可能の条件は、引火点30℃超のものです。
30℃以下になると引火しやすいため引き受け不可となります。
引受可能となる品名欄記載例)
○アロマオイル(引火点30℃超)
○塗料(引火点30度超)
○マニキュア(引火性なし)
航空輸送可否の判断について
引火点60℃超のものは航空輸送が可能です。
航空輸送可能となる品名欄記載例)
○ アロマオイル(引火点60℃超)
○水性塗料(引火点60℃超、密閉式)
引火点とは?
引火点とは、可燃性物質自体がその温度(引火点)に達して、火を近づけたときに引火する温度のことです。わかりやすく説明します。
例えば灯油の引火点は40℃以上とされています。
気温が10℃なら灯油自体の温度も10℃くらいでしょう。
しかし、この状態で灯油に火を近づけても引火しません。
気温40℃以上なら灯油自体の温度も40℃以上となるでしょうが、
その灯油自体の温度が40℃以上の状態で火を近づけると灯油は引火します。
その引火する温度のことを引火点といいます。
気温が40℃以上になるのは稀ですが、夏など風通しの悪い場所では室温はザラに40℃以上になりますので、保管場所には気を付ける必要があります。
もう一つ例を出すと、ガソリンは引火点-40℃以下です。
ガソリンを冷凍室に入れない限り、どの場所で保管してもガソリン自体の温度は-40℃よりいつも高い状態です。
そのためガソリンは火を近づけると容易に引火するのです。
注意点は灯油の引火点は40℃以上ですが、郵便やゆうパックで送ることはできません。
引火点とは別の理由として、石油類は送ることができない禁制品に指定されているためです。
可燃性の製品について検証する
LPGは液化石油ガスの略でプロパンやブタンを主成分とする可燃性ガスのことです。
可燃性ガスは郵便、ゆうパックともに引き受けできない禁制品となります。
可燃性ガスといってもピンときませんが、多くのスプレー缶には可燃性ガスが使われています。
制汗スプレー、ヘアースプレー、殺虫剤スプレーなど多くあります。
スプレー缶の注意書きには
→高圧ガスLPGおよび「高圧ガスを使用した可燃性の製品であり・・・」と注意書きがされています。
それらのものは可燃性ガスが含まれるため郵便、ゆうパックで送ることができません。
但し、LPG(液化石油ガス)、DMEなどの可燃性ガスが使用されていないものであれば、十分に確認した上で品名欄に記載することで、ゆうパックで送ることができます。
高圧ガス製品について検証する
高圧ガス製品というと消火器があげられます。
消火器の中身は可燃性ではないためゆうパックとして送ることはできます。
但し航空輸送はできません。
ここで注意ですが、先程説明したスプレー缶は高圧ガス製品なので、スプレー缶も引受されるのでは?と考えてしまいますが、多くのスプレー缶は高圧ガス製品であり+かつ可燃性ガスが入っていますので、送ることができないとなるのです。
ゆうパック品名欄にはどう書けばよい?
引受の可否、航空輸送の可否など、ふつう一般の方にはどのように品名を記載すればよいのかわからないと思います。
正しいゆうパックの品名記載例を、表にした記事がありますので、ぜひ参考にして下さい。
まとめ
結構身近な商品が引受不可となっていることに、驚いた方もおられるのではないでしょうか。
特にスプレー缶は私達に身近すぎるためか危険性をあまり感じませんが、可燃性のものが多く存在します。
航空機に搭載する場合には気圧の変化がありますので、日常生活では問題ない商品でも注意する必要があります。
以前はシャンプーにはスプレー缶タイプの商品は見かけませんでしたが、今は様々な商品が出ています。今後も新しいタイプの商品がたくさん出てくるでしょう。
そのためしっかりと調べた上、品名欄に「スプレー缶不使用」、もしくは「高圧ガスなし、可燃性ガスなし」などと追記した方がベターです。
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